チェコビールの分類

ラガーとエールで取り上げた、ラガー、エール、自然発酵ビールをチェコ語で正式に分類すると、それぞれ、

Spodně kvašená piva(スポドニェ クヴァシェナー ピヴァ)/下面発酵ビール

Svrchně kvašená piva(スブルフニェ クヴァシェナー ピヴァ)/上面発酵ビール

Spontánně kvašená piva(スポンターンニェ クヴァシェナー ピヴァ)/自然発酵ビール

となりますが、お店でこんな長ったらしい文字に出会うことはまずないでしょう。お店では基本的に、そのビール名前、スタイルあるいはカテゴリ、そして麦汁濃度が併記されていることが多いです。

ビールのスタイルというと、ラガーでは、ピルスナー、ボックなど、エールでは、ペールエール、IPA、スタウトなどが挙げられます。これについてはビールのスタイルで詳しく取り上げます。

麦汁濃度による分類

ビールのカテゴリ、これはチェコ特有のものです。日本でビールと発泡酒が法律によって分けられているように、チェコでは麦汁濃度に基づいて、ビールが法的に分類されています。

麦汁濃度による分類

 麦汁濃度 ビールのカテゴリ 読み方
~ 6° Stolní pivo ストルニー ピヴォ
7°~10° Výčepní pivo ヴィーチェプニー ピヴォ
11°~12° Ležák (ラガー) レジャーク
Plné pivo (エール) プルネー ピヴォ
13°~ Silné pivo /

Speciální pivo

スィルネー ピヴォ/

スペツィアールニー ピヴォ

【補足】

・上記の表では、ležákは麦汁濃度が11°~12°のビールのことを指すとしてますが、ラガー全般のことを、ležákと便宜的に表現することもあります。

・小数点以下の数値は切り捨てです。例えば10.8°のラガーは、výčepníに分類されます。

・13°以上のビールを、Silné pivo / Speciální pivoと二つの名前を併記しましたが、これは法改正によって、Speciální pivoという分類が2019年の12月で廃止となり、それ以降はSilné pivoと新しい名称に変更されるからです。

色による分類

また色に関しては、EBC、あるいはSRMという国際的な指標を用いる場合もありますが、これはフォーマルな場面(pivovarのホームページなど)に限られます。

一般的なお店では、ピルスナータイプのラガーが色分けされている場合が多いです。日本でもなじみ深い、黒ビール、琥珀ビールというような、ざっくりした色分けです。

色分け

   ビールの色  名前/読み方
明るい světlý / スヴィェトリー
 中暗  polotmavý / ポロトゥマヴィー
  琥珀(さび色)  jantarový(řezaný) /ヤンタロヴィー(ジェザニー)
  黒  tmavý / トゥマヴィー

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